香港・マカオ

どっちかというとマカオのほうがフォトジェニックな街だった気がします。アホみたいに写真撮った。

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聖ポール天主堂跡

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セナド広場は人が多かったけど、ここは静かで本当にポルトガルみたいだった。
LC-A+で撮った写真は昔の風景みたいに見えるから好き。

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ペニンシュラホテルのロビーの天井

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フェリーから見た香港島

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スターフェリー大好き。乗り放題チケットを買って、2時間くらい乗ってた……。

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帰ってきました

ポルトガル、とっても素敵でした!
日差しは強くて暑く、でも室内や日陰は心地よく、食事もおいしくて、人は親切で、物価もほかのヨーロッパより安く、治安もそんなに悪くない国でした。しかもフランス語が通じる! 私は異常なほどの寒がりで、夏でもノースリーブや裸足などはもってのほかな人間ですが、ポルトガルは暑いのにエアコンがあまり効いてない(日差しを避けると涼しいので、問題なし)ので、ひさしぶりにサンダルやノースリーブ(向こうで買った)で歩きました。まあ、ノースリーブを避けるのは、デブなので見苦しくないように、という理由もありますが、向こうでは私のような体型の人も、平気でノーブラだったりキャミとかでぷりぷり歩いているので、まったく気になりませんでした。ここは楽園か。
勢いでその恰好で飛行機乗って帰ってきましたが(機内は寒いので、カーディガンや靴下は身につけていきましたが)日本に到着する寸前に我に返って着替えました。

サプライズでロードレースが見られてびっくりです。たまたまホテルの前だったんですよ。でないと同じリスボンでも気づかないだろうし、素敵な偶然でした。

本当に素敵な国だったので、来年は無理でも再来年くらいにもう一回行きたい。今回、ハイシーズンで観光客が多かったので、もっと静かな時期に。直行便があればいいのに……。

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アルファマ地区の展望台からの眺め。テージョ川がきらきらしています。

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ベレンの塔。この空の色!

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リスボンと言えば市電。でも電車の中の券売機が3分の2の確率で壊れてた。

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シンガポール行ってきました

行った人に話を聞くと、「すごくよかった!」という感想と、「退屈。全然楽しくなかった」という感想と、真っ二つに別れたので不思議に思ってましたが、行ってみて納得。食べ物はなにを食べてもおいしく、人は親切で感じがよかったのですが、町並みは東京とあんまり変わらないと思ったのも事実。リトルインディアやアラブストリートも思っていたよりも観光地で土産物屋が多かったし……。
ただ、食事は本当においしかったです。私は湿度と気温が高い方が体調のいい亜熱帯体質なので、おいしいもの食べて、のんびりするためだけにまた行くかも。こんなにストレスの少ない海外旅行ははじめて。
以下食べたもののメモ。

・カヤトースト
ココナッツと卵で作ったジャムを挟んだトースト。すんごい甘いけどおいしい。大好きな味。薄い全粒粉パンにマーガリンと一緒に塗ってある。一緒に出てきたミルクティも、インド系の砂糖たっぷりチャイ。甘党の血がたぎる幸福な組み合わせ。

・海南チキンライス
日本でも食べられるところはあるけど、鶏を丸ごと茹でたスープで炊いたごはんに鶏肉をのっけて食べる。本場のはさすがにおいしく、二回も食べてしまう。たぶん、私、これ、週一くらい食べても飽きないと思う。

・肉骨茶(バクテー)
スパイスを入れてとろとろに煮た豚肉。以前友達からコレ作るセットをもらって作ったのを思い出した。

・インドカレー&ビリヤニ
インド人が多いだけあって、おいしい。なぜかホテルの朝食ビュッフェにインドカレーがあって毎朝それを食べてしまう。ビリヤニはピラフっぽいの。ゆで卵がまるまる入ってた。
インドレストランでインド系の人に「日本のカレーって、あれすっげー旨いよね」と言われる。

・メロンジュース
マスクメロンじゃなくて、プリンスメロン的な黄色いの。絞りたてでくらくらするくらいおいしかった。

・マンゴラッシー
日本のマンゴラッシーを想像してはいけない。半分はマンゴーそのものなのでストローが直立不動になるほど濃い。

・蒸し魚
ホテルのレストランで、ちょこっとゴージャスめのディナー(でも3000円くらい)私は魚料理に関しては国粋主義者で魚は日本料理がいちばんおいしいと思っているのですが、これにはヘヘーっと頭を下げたくなるほどまいった。インドネシア風かな。なんか辛いソースかかってた。

・エッグタルト
スコールで逃げ込んだラッフルズホテルのカフェで食べる。(中の高級な方ではなく、外に面したセルフサービスのお手頃なカフェ)200円もしないのに、「なにこれ?」というくらいおいしかった。カスタードがとろとろ。

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パリその1

 翌日、昨日休んだせいか、かなりマシ。この日の夜はオペラ座でバレエ鑑賞の予定で、最悪、昼間はホテルの部屋で休もうかと思っていたのですが、この調子ならば少しは外出できそう。
 一応、ホテルの人に「風邪を引いていて早く帰ってくると思うので、掃除も早めにお願い」と頼んで、十時半頃外出。
目的はシャイヨー宮に去年できた建築・文化博物館。ここにあるのは、全部レプリカや模型なのですが、なかなかいい感じ。パソコンで設計図や写真、地図を見たり、バーチャルでその建物の中に入ったり……とかもできましたし、地方にあるような建築物は実物大のレプリカで見られるだけでも楽しい。一階がゴシックやロマンス建築で、二階が二十世紀の建築。地下の特別展も映像を駆使して、かなりおもしろいものになっていました。
 なんか、「死んでもし幽霊になったら、こんなところをふわふわしてたいなあ」と思った。
 ここをじっくり見て、カフェで一休みし、本屋でいろいろ本を買い込んだあと、今度はジャックマール・アンドレ美術館へ。ここは個人コレクションを展示している美術館ですが、行ったときはヴァン・ダイク展などやっていて混雑してました。
 コレクションもよかったですが、なんといっても素晴らしいのは建物。まるで映画に出てくるようなフランスの豪邸で、サロンとか温室とかまさに少女マンガのような世界です。女子は絶対楽しいと思うのでお薦め。ここのカフェも素敵だと聞いていましたが、あいにく外まで並んでいるような状態で、入るのをあきらめました。
 午後二時くらいになったので、ポールでサンドイッチとコーヒーの昼ご飯を食べ、ホテルに一度帰って、ちょっとお昼寝。
 オペラ・ガルニエでのバレエ公演は七時半開演なので、六時くらいにホテルを出て、軽い夕食を食べられるところを物色。カフェでサラダとパンでも食べようかと思っていたのに、ラーメン屋を発見して、ふらふらと入ってしまう。ところで、パリのラーメン屋(結構レベル高い。ちゃんとおいしいラーメンが食べられる)に入るといつも不安になるんですが、麺は啜って食べていいもんですかね。わたし以外全部フランス人だったので、なんかもそもそと食べてしまいました。
 で、七時くらいにオペラ・ガルニエへ。昼間、中を見たことはあったけど、夜ははじめて。いや、昼見るよりも、圧倒的に美しいです。窓から見えるオペラ通りの夜景も素晴らしいし、なんというか魔を感じる美しさでした。チケットのもぎりの人も、案内係も正装した男性で「マドモワゼル、ぜひ素晴らしい夜をお過ごし下さい」とか言われながら、席へ。(いや、来年四十ですが……) この時点で日本でのバレエ鑑賞とまったく雰囲気が違いますが、幕が開いた瞬間、頭を殴られるような衝撃が。
 違うんです。日本のホールで見るのと。そういう気分の問題ではなく、具体的にはっきりと。
 まず、舞台の形状が違う。舞台の幅はわたしが普段バレエを鑑賞するフェスティバル・ホールの半分くらい。かわりに奥行きがずうっと広いです。
 つまり、視線を動かさなくても舞台全貌がすっと視界に入ります。コールドも、日本で見るように横にだらんと広がるのではなく、手前から奥に向かって斜めに配置される感じ。そしてその視覚的効果がはっきりと違う。舞台装置も、とても奥の方にあったり、反対にかなり手前にあったりと、舞台の奥行きを効果的に使っている。
 これは、日本の横長の舞台では再現できない。しかし、たいていの演目はこの西洋型の舞台を基準に振り付け、演出されているわけで、日本の舞台に合わせた時点で、ずいぶん元とは違うものになっているはずです。
 演目はヌレエフ振り付けのライモンダ。装置の美しく、華やかな演目でした。うっとり。アブデラムのヤン・ブリダールというプルミエール・ダンスールの人が素敵。
 観客はジーンズの人もいれば、背中の開いたカクテルドレスの人もいる感じ。これは訪問着の人もジーンズの人もいる歌舞伎座も同じですね。おしゃれして見に来る人と、単に舞台を楽しみにくる人が交じるとそうなるんだなあと。わたしも一応ワンピースを着ていきましたが、セーターとパンツにアクセサリーでもつければ充分だったかも。(ひとり旅はなるべく荷物を減らしたいもんで……)
 今回の旅の目的のひとつだったんですが、次回もパリに行くときは、予定に組み込もうと思いました。堪能。
 あとで知りましたが、ちょうどオペラ・バスティーユの方もバレエやってて、ルグリやマチュー・ガニオはそっちに出てたらしい。そちらもチェックすればよかった。
 チケットは、オペラ座公式サイトで買いました。英語での予約もできると思いますし、日本まで届けてくれます。

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風邪

翌日、かなりヤバイ感じ。どうやら本気で風邪をひいたっぽい。イタリアでは風邪気味という程度でしたが、今日は熱もある感じがする。夜行列車の日のあれこれと、アルザスの寒さにやられたようです。
本当は観光をしてから、三時くらいの列車でパリに戻るつもりでしたが、駅に行って聞いてみると十一時の列車が空いているというので変更してもらうことに。
で、列車に乗り込んでみると、なんとわたしの席に別の女性が座っている。
「そこ、わたしの席なんですけど……」と言うけど、「あなたのチケットが間違っている。あなたはこの列車じゃない」と言われる。んなわけあるかーと、「あなたのチケットを見せてくれ」と言っても「あなたの列車は遅れてる」とか言って見せてくれない。
 なので、係員に言いつけに行くと、わたしのチケットが間違ってないことを確かめてから「出発してから見に行くから、とりあえず乗って待ってて」と言われる。
 出発してからその係員と、再び抗議に言ったところ、すごい勢いで反撃される。どうもその人の乗る列車の到着が遅れて、急いでいるからこれに乗ったとか、そういうことらしい。(その人が乗る予定だったのが十時発のパリ行きなのに、それがまだ到着せず、それなのに十一時発のパリ行きが先に出発するのがおかしい、とかそんな感じ。早口なので全部はわからない)
 まあ、その人の言うこともわからんでもないが、わたしも座れないと困る、と思っていたら、係員さんに「代わりに、一等に座っていいよ」と言われる。おお、かえってラッキー。
 ということで、パリに到着。アルザスから帰ってくるとパリも寒く感じない。不思議!
 この体調で、スーツケース引きずってメトロに乗るのはつらい、と、またもタクシーで。しかもここも長蛇の列……。
 ようやくきたタクシーに乗り、ホテルへ。
 パリでは左岸か、マレあたりに泊まるのが好きですが、今回は二日しかいないし、利便性を考えてオペラの、Rue Caumartinにあるホテル。前、日本人街の近くに泊まったことがありますが、この通りはデリやビストロも多く、オペラにしては庶民的な雰囲気でいい感じでした。
 しかし、この日はそんなことを考える余裕もなく、ただホテル入りして、足湯で身体を温めて爆睡するだけでしたが……。

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アルザス

翌日。ホテルで朝食を取っていたら、イタリア人の若者グループが、ビュッフェのパンをばんばん鞄に入れているのを目撃。しかも、その隣のテーブルではドイツ人がびしっとスーツで背筋を伸ばして朝食を取っている。この人たち、まさに「ヘタリア」のようにキャラ立ってる……。
まあ、アルザスはドイツとの国境の町なので、ドイツ語はあちこちから聞こえるし、朝食のソーセージもパリで食べるものよりもずっとおいしかったです。
さて、当初の予定ではコルマールに行くつもりだったのですが、昨日結局まったく観光できなかったし、疲労も取れてないのでコルマールはやめて、アルザスはストラスブールのみを観光することに。
ホテルは街の中心部から離れているので、中心部までタクシーで行くかと思っていたら、フロントの人によるとトラムに乗ればすぐとのこと。
三つめの駅とだけ聞いて、トラムの乗り場にやってきたけど、どっちの方角に乗るかがわからず、そばにいた年配の女性に尋ねると、ものすごく親切にトラムの乗り方と、降りる駅、しかも降りてからの道順まで教えてくれる。この丁寧さも、なんかドイツっぽい感じがする。いや、ドイツ行ったことないのでイメージだけど。
 ストラスブールは適度に都会で、パリやイタリアよりも清潔で(これもドイツっぽい)なんか住みやすそうな街でした。寒いけど。
中心部に行くと、あちこちにマルシェ・ド・ノエルが。夜店っぽくて楽しい。大阪にいるときはちょっとだけ飲めるお酒も、旅に出るとまったく飲めなくなるので、ヴァン・ショーはあきらめましたが、子供向けに蜂蜜入りオレンジジュースのあったかいのを発見。それを飲みながら、のんびり見てまわりました。
アルザスはクリスマス発祥の地で、この季節は観光客が殺到すると聞いていたのですが、それでもパリなどの観光客が多い場所にありがちな、ちょっと危ない雰囲気はなく、のんびりした感じ。これは夏のバスクにいったときも感じたこと。
ルーブルのまわりとかを歩いている方がよっぽど緊張します。
大聖堂を見て、そのあと旧市街のプティット・フランスと地域に。このあたりはアルザスらしい家が多くて本当に可愛いです。
昼は、アルザス名物のタルト・フランベ。これも「タルト・タタンの夢」で書きましたが、オニオンとクリームチーズとベーコンをたっぷりのせたピザのような薄いタルトで、おいしいです。日本人の口に合うと思う。
しかし、アルザスは寒い。イタリアは歩いているとあたたまってきて、そんなにつらくなかったけど、アルザスは歩いたくらいでは暖かくなりません。
いいかげんつらくなってきたのでホテルに帰りましたが、まだ部屋の掃除が終わってなかったので、ラウンジでお茶。
ぼーっとしてたら、三人のスーツを着たビジネスマンが入ってきました。ここまでは日本でもよくある風景ですが、日本ではありえないのが、その後ろをちっこいダックスがちょこちょこついてきていること。
ダックスはひとりのビジネスマンの隣にちょこんと座りました。どうもその人が飼い主っぽい。しかもそのままあきらかに商談がはじまってる……。
ああ、フランスだなあと思う風景でした。
一休みしたあと、夕食はサーモンのムニエルとフリット(フライドポテト)。山盛りのフリットも、「フランスだなあ」と思うもののひとつです。毎日は勘弁ですが、一度は食べないとなんか物足りない。

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クリスマスマーケット

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大聖堂の前もこんな感じ

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プティットフランス。可愛い。

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移動日

さて、駅のラウンジで読書しながら待つこと二時間。九時近くになって、「もうそろそろかなあ」と思って、電光掲示板を見たら、なんと「一時間半遅れ」の文字が。まだ、ここから一時間半待つのか、とげんなりしたとき、衝撃的な出来事が。
なんと、待合室を九時で閉めてしまうということで、待合室を追い出され、夜風吹きすさぶホームに追いやられてしまう。列車が遅れているんだからいさせてよーと思っても、まわりのイタリア人は淡々と文句も言わずに出ていくので、わたしも仕方なくホームへ。
寒っ。しかもホームにはベンチもないので、スーツケースの上に腰掛けてひとり、しょんぼりと待つ。
ここで、ひとりのイタリア人女性が話しかけてくる。
「あなた、パリに行くの?」
「そうです……」
「今日はもう列車ないわよ。明日のに乗らなきゃ」
ええーっ、だって一時間半遅れって書いてあるのに……(とまではイタリア語では言えない)
その人は自信満々で、「今日はもうこない」と言い切って、駅を出て行きました。
しかし掲示板にもこないとは書いてないし、いくらゆるいイタリア人といえども、一日に一本しかない列車が運休になったらもっとリアクションあるだろうよ、と、待つことに。
まあフィレンツェはホテルたくさんあるし、最悪、深夜でもどっか見つかるだろう。でも、そうなったら明日どうやってストラスブールまで行けばいいのかと、すごく不安。
夜の駅なんて怖そうですが、お巡りさんがうろうろしていて怖くないのがせめてもの救い。
一時間半以上経って、ようやく列車が入ってきて、胸を撫で下ろす。
イタリアよ、さようなら。きっとまたくるよ。
乗るのはアルテシアナイトという、イタリアとフランスを結ぶ夜行列車。同じコンパートメントの女性はイタリア人でしたが、ラッキーなことにフランス語が喋れる人。彼女は仕事でフランスに行くときよくこの列車に乗るということで、(イタリア国鉄で働いているそうな)いろいろ部屋の設備や使い方を教えてもらう。まあ、遅かったし疲れていたのですぐに寝台に横に。
列車の寝台自体は一等だったせいか快適で、ぐっすり眠れたけど、夜中に一回フランスの警察に叩き起こされて、荷物の検査をされるという事件が……。
「あんた、イタリア人? フランス人?」
「日本人です……」
そして寝ぼけた状態のまま、スーツケースを開けられ、寝ぼけたままふたたびそれを詰めて、また倒れ込むように寝台に……。
そして、朝、予定では九時にパリに着くはずですが、出発が遅れたので当然も到着も遅れ、しかも運の悪いことに、列車の感想のアンケートに答えろと言われ、車内でフランス語を読んだり書いたりしているうちに、列車に酔ってしまう。
もともと乗り物酔い体質だけど、TGVはあんまり揺れず比較的楽なので、油断していたのがまずかった。
到着は出発以上に遅れて、パリ・ベルシー駅に着いたのは十一時くらい。十一時半頃のストラスブール行きTGVを予約していたので、あわてて東駅に行くためタクシー乗り場に向かったら、そこもすでに長蛇の列。
結局その列車には間に合わず。とはいえトレインパスで移動しているので、損するのは予約代の三ユーロのみ、と気楽に窓口に行くと、なんと三時半まで空席がないと言われてしまう。
まだ乗り物酔いが残っていてへろへろ。しかも東駅、すんごい寒い。
ともかく、比較的あたたかいフードコートで、熱い紅茶を買って休憩することに。
ぐったりしながらしばらく休んだあと、酔いもおさまったので、ともかくなにかお腹に入れようとセルフサービスの店に。パスタとサンドイッチとビーフンの店がありましたが、経験上、フランスでパスタを食べてはいけないことは身に染みてわかっている。そうなるとサンドイッチだろう、と思ったのに、ビーフンの店の前を通って醤油の匂いを嗅いだとたん、身体がふらふらとそちらへ……ああ、わたしってやっぱりアジア人なんだなあと思った一瞬でした。
ビーフンは充分おいしかったです。もちろんここはアジアではないので完璧を求めてはいけません。
食べ終わってしばらくはまだうだうだしてましたが、あまり長くフードコートにいるのも気がひけて、外に。
やはりすんごい寒い。フィレンツェやミラノなんか目じゃないくらいに寒い。
駅構内にあるストーブに張り付いて、三時半まで待ち、ようやく列車に乗りました。
乗ってしまえばあとは快適。しかし、当初の予定では二時頃到着する予定だったストラスブールに着いたのは、夕方の六時。
しかも、列車を降りた瞬間、ギャーと言いたくなるほど寒い。東駅なんか比べものにならないくらい寒い。
ガクガク震えながら、タクシー(幸いすぐ乗れた)に乗ってホテルへ。
タクシーの運転手に「どこからきたの」と聞かれる。
「日本です……」
「日本? 日本って宗教なに?」
「宗教? 仏教徒が多いかな」
「仏教はいい宗教だね。過激派とかいないし。カソリックはいないの?」
「います。たしか、三パーセントか五パーセントだったか、そのくらい……」
「そんなに少ないのか。じゃあクリスマスは盛り上がらないだろう」
 えーと……そのあたりを説明するのは非常に難しいですが、日本、すんごいクリスマス大好きです。盛り上がってます。
 ともかく、「ケーキは食べるし、子供はパパノエル(フランス語でサンタクロースね)を待ってる」と言うと、なぜか爆笑されました。日本人の名誉のために、「恋人同士が過ごす日になっている」ということは言わないでおきました。今の日本の首相はカソリックですよ、と言えばよかったかな。
 ようやくホテルへ。ストラスブールのホテルを予約するのが遅く、高いホテルしか取れなかったのですが、このへとへと状態では、それがむしろありがたい……。
 一休みしてから、夕食はアルザス名物のシュークルート。以前パリのアルザス料理店で食べたものよりも、ずっとおいしかったですが、いかんせん量が多い。半分も食べられなくて撃沈。とはいえ、一緒に煮たレバーソーセージは絶品でした。
 寝る前に熱いお風呂に入って疲れを取りました。フィレンツェはバスタブのないホテルだったので、ひさしぶりのお風呂。

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イタリアその4

この日はシエナへ。フィレンツェから一時間半くらいなので、荷物を置いて日帰りです。前日に、時刻表を調べてあったのに、なんと駅に行ったら一時間に一本しかない列車が二本運休。すなわち二時間待ち。
しかもこの頃から風邪っぽくなってきました。どうしようかなあと思いつつ、バールでカプチーノを飲んで、近くの薬局に。なんかいいものがないかと探していたら、プロポリス発見。しかも10ユーロくらい。フランス語の先生から「風邪にはプロポリスが効く。日本は高いけどヨーロッパは安い」と聞いていたのでこれを買ってみることに。
店員のおじさんに、身振りでこれ、このまま飲むの?と聞いてみたら、英語で「水か紅茶に二十滴垂らす。一日二回ね」と丁寧に説明してくれる。
そのあと、ガゼッタを買って読んでたら昨日は、ジロのプレゼンテーションがヴェネチアであったことを知る。あー、フィレンツェかヴェネチアか迷ったんだよね。ヴェネチアに行ってたら、自転車選手のだれかが見られたかも。残念。
やっと列車がきたのでシエナへ。午前中には着く予定だったのに、着いたら一時過ぎてました。
しかも、駅から街の中心部まではバスなのに、バスがどこにきているかわかりにくくておろおろ(正解は、駅正面のショッピングセンターに入って、エレベーターで下りたところでした。わかんないよー)
そのあとも、無事バスに乗れたのに、中心部の手前で現地の人に押し出されて降りてしまう。(わたしはこういうことがよくある……)しかし、駅で買った地図を確かめるとそんなに遠くでもなかったので、ふらふら歩きながら、旧市街へ。
シエナはとてもきれいな街でした。フィレンツェはきれいな場所はきれいだけど、道にゴミも落ちているし、いかにも都会な感じですが、ここは清潔で静かな街。とても素敵。
こんなことなら、荷物持ってきて泊まればよかったなあと後悔。2,3日なにもせずにゆっくりしていたい感じの街でした。
美術館や、ドゥオーモを見て、ピザを食べ、カンポ広場のカフェでコーヒー飲んで……と、やることは変わらないですが、なんかフィレンツェにいるときよりものんびりできました。
夕方になったので、バスで駅に戻りました。列車がくるまで時間があり、身体が冷え切っていたのでバールでカプチーノを頼んだら、おじさんが「え? カプチーノ? 今頃?」と。そういえば、イタリア人は午後には飲まないんだよね。(あくまでも朝の飲み物らしい)「寒いから、熱いの飲みたい」と言うと、納得してくれましたが。
ちなみに、日本人は総じてカプチーノ好きらしくて、フィレンツェでは顔を見ただけで「カプチーノ?」と聞かれたこともありました。
昼食べたピザが重く、夕食は近所の店でフォカッチャを購入して、ホテルの部屋で食べました。明日にはイタリアを出るのに、まだパスタを食べていないというのはちょっと問題。
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市立美術館。

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カンポ広場のカフェ。


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町並みもこんなに素敵。

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イタリアその3

翌日も雨。、今日はなんとしてもトラットリアに入る!と決意。さすがに旅行がはじまってからの食生活はひどい。ズボンのウエストがゆるくなってきているのはうれしいけど、このままでは体力が持たない。
この日の朝食のビュッフェで、映画「OVERCOMING」でバッソが食べていて、「あれはなんだろう」と思っていたお菓子を発見。ビュッフェなので持って帰るわけにもいかず、その場で携帯でパチリ。えーと、たしかバッソとリースが部屋でおしゃべりしている場面だったと思います。
映画を観たときも「ぽんせんっぽい」と思ったけど、食感はまさにぽんせん。でも、健康食品で、塩も砂糖も使ってないので味がまったくしません。はっきり言っておいしくない。ぽんせんを差し入れてあげたいです。やはり自転車選手ってカロリーコントロールに気をつけているんだなあ。
まず、アカデミア美術館へ。昨日、知っている絵を見るのはそんなに好きじゃない、と書きましたが、ここで見たミケランジェロのダビデには頭を殴られるようなショックを受けました。
才能の狂気を感じるというか、人が作ったものとは思えないというか……。しばし、放心状態でぼーっと眺める。
その後、昼ご飯を食べに中心部へ。途中、トリッパを立ち食いで出している店を発見、ちょっと心が動いたけど、我慢して、よさげなトラットリアへ。
プリモに豆のスープ、セコンドにトリッパを注文。トリッパは牛の胃の煮込み料理で、日本ではあまり食べられないけど、好きな食べ物のひとつ。癖はあるけど、肉よりも食べた後重くないし、あちこちで食べています。前バスクで食べたのは、絶品でした。
豆のスープは、ぜんざいのように豆がたっぷりでそれだけでお腹いっぱいになりそうで、ちょっと後悔したのですが、それでも温まるし、すごくおいしかったです。オリーブオイルをとろとろっとかけて食べるのがまたなんとも……。ここのトリッパはトマト味。これもおいしかったけど、さすがに量が多く、全部は無理。あと付け合わせで頼んだブロッコリーのオイル煮もおいしい。くたくたになるまで煮てあるけど、味が抜けてない。
ああ、やっと食べ物のおいしい国にきたのね、と実感しました。
その後はポンテヴェッキオを渡って、ピッティ宮へ。ここでは銀器博物館という、メディチ家の宝飾品や食器などを展示している博物館へ。いやー、ここ面白かったです。もともと工芸品好きなせいもあるんですが、メディチ家の財力を実感したというか……。建物も宮殿なので素晴らしいし……。
その後、銀器博物館とセットになった庭を散歩していましたが、雨がひどくなってきたので撤収。
雨のせいかあたたかいので、帰りにジェラートなども食べました。イタリアのジェラート屋さん、ディスプレイが可愛いです。メロンのにはメロンを、バナナのにはバナナを可愛く飾ってあるのです。
そして、このあたりからバールの使い方を覚え、ちょくちょく入るように。立ち飲みだとエスプレッソが1ユーロくらいで、どこに入ってもおいしいコーヒーがすぐ飲めるし、幸せなひととき。
また街をぶらぶらして、夕方になったのでホテルへ。この日も昼の食事が重すぎて、夕食抜き。よく考えたら、普段も二食だし、まあいいか、と開き直る。
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飼い主をお外で待つわんこ。

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ピッティ宮にいたハチワレ猫。魅惑のボディライン。

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ポンテヴェッキオから見た風景。

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イタリアその2

この日はフィレンツェに移動。朝、ホテルの食堂でメイドさんに「あなたイタリア人?」と聞かれ、「そんなわけないだろう」と思ったのですが、列車の切符を買うために並んでいると、わたしっぽい現地の人と隣り合わせて、なんか納得する。
日本の場合は、国籍が日本人になっても西洋人の外見だと、日本人だとは見られにくいけど、こっちはアジア人の外見でもイタリア人ということってあるんでしょうねえ。
フィレンツェまではESで二時間半くらい。東京・大阪間くらいでしょうか。
午後、フィレンツェ到着。やはり雨。しかも、ホテルにチェックインしたりいろいろしてたら、ランチの時間を過ぎてしまい、この日の昼食もパニーノ。生ハムを挟んだパニーノはおいしかったけど、せっかく食べ物のおいしいイタリアにきて、全然まともな食事をしてない。
この日は金曜日。フィレンツェには次の月曜日まで滞在する予定ですが、土日は混むだろうし、月曜日は美術館が休みなので、今日は絶対にウフィッツィ美術館に行かねば、と美術館に直行。
ホテルがあるエリアは駅北側の下町っぽいところだったので、「フィレンツェ、きれいっていうけどそれほどでもないよねえ」と思っていたら、大聖堂の前に出て、おおう!と思いました。すごい! きれい!
ウフィッツィ美術館、並ぶという話を聞いていたので覚悟していましたが、並ばずすぐに入場できました。冬の午後はそんなに客は多くないみたいです。
たしかに名品揃いで、素晴らしかったのですが、人が多くて騒がしいのは難。どっちかというと、知っている名画を見るよりも、知らなかった絵に出会う方が好きなのです。ボッティチェッリの部屋で、日本人のツアー客と一緒になり、ひとりの人とおしゃべりしたのですが、なんとボッティチェッリの部屋とダヴィンチの部屋を見たらもう美術館を出なければならないのだとか。その人も怒ってましたけど、そんなツアーはいやだなあ。時間がゆるやかに流れるのが旅行のいいところだと思うのに。
そういえば、ルーブルでもよくビーナス→モナリザ→ニケのツアー客を見かけるけど。
さてゆっくりまわっていたら夕方に。帰り、またここでもリナシェンテを覗いたら、アンテプリマを発見。ひとつ持っていて、使い勝手がよくてもうひとつほしいと思っていたワイヤーバックを買いました。ちょうど日本人の販売員さんがいて、スムーズに買い物できました。
しかし、七月にフランス行ったときと違い、円高なので買い物はしやすいです。あのときは、2ユーロのアイスティーを買うのも身を切られるようにつらかった。
暗くなってきたので、またホテルに撤収。今日もあらためて出るつもりが、疲労でそのまま寝てしまい夕食抜き。食べそびれたときの非常食として持ってきたソイ・ジョイを囓る。わたしはいったいなにをしておるのだ……。

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礼拝堂とドゥオーモ

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細部が本当にきれい

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