シルヴィ・ギエム オンステージ

観てきました。……なんか凄いもの観ちゃった……という感じでした。

まず、最初の「カルメン」 上野水香さんという人は、ほとんどのバレリーナが骨にわずかな筋肉をまとっただけ、という印象なのに、赤身の肉っぽい不思議な感じ。いえ、細いんですけど! なんかみっちり詰まっているというか、生命力を感じるというか。ひとつひとつの動作が小爆発みたいに歯切れがよくて、魅力的だなと思いました。

で、ギエム。いやはや、参りました。すごい才能を目の当たりにしたという印象。ちょっと涙でた。肉体がそのまま精神というか、なんか、こういうたとえはたぶん的確じゃないんだろうけど、インドの神様かなんかみたいだ、と覆いました。

歌舞伎はある意味「行間を読む」芸だったりするので、才能がさほどなくても、続けることで味が出たり、魅力が増すことも多いんですけど、バレエって、本当に才能と努力をギリギリに尖らせて挑む芸術なんだなあと思いました。
神から与えられたものと、自分でつかんだものが、そのまま剥き出しで出ている気がした。ちょっと怖い。

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バレエ見てきました

パリ・オペラ座バレエ団の「ルグリと輝ける仲間たち」
NHKのスーパーバレエレッスンを見て、「一度ナマで見たい!」と思ったので、チケット取りました。
バレエは10年ぶりくらい。しかも、海外バレエ団のははじめてです。
歌舞伎みたいに見慣れているわけではないので、いろいろ新鮮でした。「燕尾服にタイツ?」とか「意外にトゥシューズの音って響くんだ」といろんなこと考えました。
でも、全然わからない私でも、スジェとエトワールの踊りの違いははっきりとわかるし、ほかのエトワールとルグリの踊りも確実に違う。
どっちかというと、私はコンテンポラリーの方が好きかもしれない、と思った。「小さな死」というのがいちばんよかったです。あと、男同士で踊る「アベルはかつて……」というのも素敵でした。
帰りに12月のギエムの公演も予約してきてしまいました。頻繁には無理だけど、ときどきは見たいなあ。
しかし、歌舞伎に慣れた私はカーテンコールがとても苦手です。30秒くらいは本気で拍手できるんだけど、それ以降は面倒になっちゃうんだよなあ。感動より拍手という行為の方が強く感じられてしまうというか。

昼は、「アヒルと鴨のコインロッカー」を観に行ってきました。
原作のエッセンスがしっかり残っているいい映画でした。そっか、こういうふうに処理するのね。
瑛太はときどき、ちょっとテツに似ている。犬顔というか、トイプー顔? この映画とは関係ないけど、大森南朋さんは、柴犬顔だと思います。

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浪花花形歌舞伎

観てきました。第一部の伊勢音頭。初役揃いでしたが、緊張感がいい方向に出ていたと思いました。今までの浪花花形歌舞伎は、正直、「若手の舞台を応援する」という感じでしたが、今日は本当におもしろかった。
座頭だけあって、翫雀さんのお鹿と万次郎がかなりの出来。お鹿はたぶんいいだろうなと思っていたけど、万次郎がきちんと美しい二枚目になってました。翫雀さんは、いい役者さんですが、正直、品とか色気に欠けると思っていたんですけど、今回はパパそっくりの品のある二枚目ぶり。ダイエットしたのでしょうか。本当にきれいでした。

あとは上村吉弥さんの万野が、セリフのよさや廓の女性らしい風情があって、よかったんですが、ただ、この人、あんまり意地悪な感じがしないんですよね。あんまりニンではないかも。万野といえば、嵐徳三郎さんが本当によかった。意地が悪くて、しかも少し貢に惚れているような雰囲気と色気があって。上村吉弥さんは、どちらかというとお紺の方が似合うような気がします。千次郎時代に勉強会で、お紺やってたの観ましたが、うっとりするくらいきれいでした。
あとは、扇之丞さんのお岸もよかった。声とかセリフとか立ち居振る舞いとかに、女形らしい色気のあるお岸でした。この人も才能のある人だと思うので、もっと引き立てられるといいなと思います。
もちろん、愛之助さんと孝太郎さんもよかったです。ちょっと脇に食われちゃった感もあるけど。

おもしろかったので、もし仕事が予定通り終わったら、楽日に第3部でも観に行こうかと思います。頑張ろう。

終わったあと、心斎橋の南翔饅頭店で小龍包を食べました。まあまあおいしかったけど、並んでまでとは思わないなー。ランチは値段手頃なので、並ばずに入れるのならいいけど。

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昼の部

松竹座、昼の部行ってきました。
まず、愛之助くんの義賢最期。初役、しかも大抜擢だというのに、不自然さのない立派な義賢でした。前半が退屈じゃないのも見事。まだまだ課題はあるとは思いますが、すばらしかったと思います。客席も盛り上がってました。
そして、仁左玉の「十六夜清心」。もう色気とスターのオーラで空気自体がぬらぬらしてましたよ。おさよ、清吉になってからのきったない衣装、散切り頭ですら艶っぽい。ああ、正月から寿命が延びる~。
それと、ふと思ったのが、女性の足の美しさを引き立てる服はいろいろあれど、男性の足の美しさを堪能できるのは、やはり着物のよいところだなあ、と。それほど、仁左衛門さんの臑は色気たっぷりでした。
あと、やっぱり息の合っているところが格別だなあ。

ああ、楽しみは終わってしまった……後は頑張って働きます。

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松竹座歌舞伎

行ってきました。夜の部。なんと最前列のど真ん中という席。あんな近くで玉三郎さん、はじめて見ました。仁左衛門さんともどもきれいだったわ……。長いことコンビを組んでいるせいか、情愛あふれるおかる勘平で、泣けました。おもだかやの若手も丁寧で行儀のいいお芝居で好感が持てました。10年くらい前は、よく、おもだかや見てましたが、最近すっかりご無沙汰してたので、みんな上手になっていてびっくりです。愛之助くんの定九郎もきれいでした。

それにしても、この一座、歌舞伎の家に生まれた役者が、仁左衛門さんと孝太郎さんだけだというのが、すごい。あとはみんな芸養子だし。美形率も高く、眼福でした。

近いうちに、昼の部も観に行きます。

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市川海老蔵襲名披露

歌舞伎見てきました。こういうご祝儀公演は高いわりに、似たような演目ばかりなのであんまり行かないのですが、ひょんなことでチケットが手に入ったので、うきうきお出かけ。やっぱり、海老蔵は花があります。客席全体が桃色のオーラに染まっていたよ。
勧進帳、やや、口跡に難があるものの、仁左衛門の富樫にまけない立派な弁慶でした。菊五郎の弁天小僧も安心して見ていられます。黙阿弥ものは、菊五郎がいちばんだなあ。
しかし、仁左衛門さん、富樫の直後の日本駄衛右門はつらそうでした。

ちょっと、次の歌舞伎ものの案が浮かびかけたので、帰って調べもの。しかし、書くのはいつになることやら。それとも、猿若町捕物帳でやろうかな。

ということで、夕食は松竹座でお弁当。

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