パリその1
翌日、昨日休んだせいか、かなりマシ。この日の夜はオペラ座でバレエ鑑賞の予定で、最悪、昼間はホテルの部屋で休もうかと思っていたのですが、この調子ならば少しは外出できそう。
一応、ホテルの人に「風邪を引いていて早く帰ってくると思うので、掃除も早めにお願い」と頼んで、十時半頃外出。
目的はシャイヨー宮に去年できた建築・文化博物館。ここにあるのは、全部レプリカや模型なのですが、なかなかいい感じ。パソコンで設計図や写真、地図を見たり、バーチャルでその建物の中に入ったり……とかもできましたし、地方にあるような建築物は実物大のレプリカで見られるだけでも楽しい。一階がゴシックやロマンス建築で、二階が二十世紀の建築。地下の特別展も映像を駆使して、かなりおもしろいものになっていました。
なんか、「死んでもし幽霊になったら、こんなところをふわふわしてたいなあ」と思った。
ここをじっくり見て、カフェで一休みし、本屋でいろいろ本を買い込んだあと、今度はジャックマール・アンドレ美術館へ。ここは個人コレクションを展示している美術館ですが、行ったときはヴァン・ダイク展などやっていて混雑してました。
コレクションもよかったですが、なんといっても素晴らしいのは建物。まるで映画に出てくるようなフランスの豪邸で、サロンとか温室とかまさに少女マンガのような世界です。女子は絶対楽しいと思うのでお薦め。ここのカフェも素敵だと聞いていましたが、あいにく外まで並んでいるような状態で、入るのをあきらめました。
午後二時くらいになったので、ポールでサンドイッチとコーヒーの昼ご飯を食べ、ホテルに一度帰って、ちょっとお昼寝。
オペラ・ガルニエでのバレエ公演は七時半開演なので、六時くらいにホテルを出て、軽い夕食を食べられるところを物色。カフェでサラダとパンでも食べようかと思っていたのに、ラーメン屋を発見して、ふらふらと入ってしまう。ところで、パリのラーメン屋(結構レベル高い。ちゃんとおいしいラーメンが食べられる)に入るといつも不安になるんですが、麺は啜って食べていいもんですかね。わたし以外全部フランス人だったので、なんかもそもそと食べてしまいました。
で、七時くらいにオペラ・ガルニエへ。昼間、中を見たことはあったけど、夜ははじめて。いや、昼見るよりも、圧倒的に美しいです。窓から見えるオペラ通りの夜景も素晴らしいし、なんというか魔を感じる美しさでした。チケットのもぎりの人も、案内係も正装した男性で「マドモワゼル、ぜひ素晴らしい夜をお過ごし下さい」とか言われながら、席へ。(いや、来年四十ですが……) この時点で日本でのバレエ鑑賞とまったく雰囲気が違いますが、幕が開いた瞬間、頭を殴られるような衝撃が。
違うんです。日本のホールで見るのと。そういう気分の問題ではなく、具体的にはっきりと。
まず、舞台の形状が違う。舞台の幅はわたしが普段バレエを鑑賞するフェスティバル・ホールの半分くらい。かわりに奥行きがずうっと広いです。
つまり、視線を動かさなくても舞台全貌がすっと視界に入ります。コールドも、日本で見るように横にだらんと広がるのではなく、手前から奥に向かって斜めに配置される感じ。そしてその視覚的効果がはっきりと違う。舞台装置も、とても奥の方にあったり、反対にかなり手前にあったりと、舞台の奥行きを効果的に使っている。
これは、日本の横長の舞台では再現できない。しかし、たいていの演目はこの西洋型の舞台を基準に振り付け、演出されているわけで、日本の舞台に合わせた時点で、ずいぶん元とは違うものになっているはずです。
演目はヌレエフ振り付けのライモンダ。装置の美しく、華やかな演目でした。うっとり。アブデラムのヤン・ブリダールというプルミエール・ダンスールの人が素敵。
観客はジーンズの人もいれば、背中の開いたカクテルドレスの人もいる感じ。これは訪問着の人もジーンズの人もいる歌舞伎座も同じですね。おしゃれして見に来る人と、単に舞台を楽しみにくる人が交じるとそうなるんだなあと。わたしも一応ワンピースを着ていきましたが、セーターとパンツにアクセサリーでもつければ充分だったかも。(ひとり旅はなるべく荷物を減らしたいもんで……)
今回の旅の目的のひとつだったんですが、次回もパリに行くときは、予定に組み込もうと思いました。堪能。
あとで知りましたが、ちょうどオペラ・バスティーユの方もバレエやってて、ルグリやマチュー・ガニオはそっちに出てたらしい。そちらもチェックすればよかった。
チケットは、オペラ座公式サイトで買いました。英語での予約もできると思いますし、日本まで届けてくれます。
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