« イタリアその5 | Main | アルザス »

移動日

さて、駅のラウンジで読書しながら待つこと二時間。九時近くになって、「もうそろそろかなあ」と思って、電光掲示板を見たら、なんと「一時間半遅れ」の文字が。まだ、ここから一時間半待つのか、とげんなりしたとき、衝撃的な出来事が。
なんと、待合室を九時で閉めてしまうということで、待合室を追い出され、夜風吹きすさぶホームに追いやられてしまう。列車が遅れているんだからいさせてよーと思っても、まわりのイタリア人は淡々と文句も言わずに出ていくので、わたしも仕方なくホームへ。
寒っ。しかもホームにはベンチもないので、スーツケースの上に腰掛けてひとり、しょんぼりと待つ。
ここで、ひとりのイタリア人女性が話しかけてくる。
「あなた、パリに行くの?」
「そうです……」
「今日はもう列車ないわよ。明日のに乗らなきゃ」
ええーっ、だって一時間半遅れって書いてあるのに……(とまではイタリア語では言えない)
その人は自信満々で、「今日はもうこない」と言い切って、駅を出て行きました。
しかし掲示板にもこないとは書いてないし、いくらゆるいイタリア人といえども、一日に一本しかない列車が運休になったらもっとリアクションあるだろうよ、と、待つことに。
まあフィレンツェはホテルたくさんあるし、最悪、深夜でもどっか見つかるだろう。でも、そうなったら明日どうやってストラスブールまで行けばいいのかと、すごく不安。
夜の駅なんて怖そうですが、お巡りさんがうろうろしていて怖くないのがせめてもの救い。
一時間半以上経って、ようやく列車が入ってきて、胸を撫で下ろす。
イタリアよ、さようなら。きっとまたくるよ。
乗るのはアルテシアナイトという、イタリアとフランスを結ぶ夜行列車。同じコンパートメントの女性はイタリア人でしたが、ラッキーなことにフランス語が喋れる人。彼女は仕事でフランスに行くときよくこの列車に乗るということで、(イタリア国鉄で働いているそうな)いろいろ部屋の設備や使い方を教えてもらう。まあ、遅かったし疲れていたのですぐに寝台に横に。
列車の寝台自体は一等だったせいか快適で、ぐっすり眠れたけど、夜中に一回フランスの警察に叩き起こされて、荷物の検査をされるという事件が……。
「あんた、イタリア人? フランス人?」
「日本人です……」
そして寝ぼけた状態のまま、スーツケースを開けられ、寝ぼけたままふたたびそれを詰めて、また倒れ込むように寝台に……。
そして、朝、予定では九時にパリに着くはずですが、出発が遅れたので当然も到着も遅れ、しかも運の悪いことに、列車の感想のアンケートに答えろと言われ、車内でフランス語を読んだり書いたりしているうちに、列車に酔ってしまう。
もともと乗り物酔い体質だけど、TGVはあんまり揺れず比較的楽なので、油断していたのがまずかった。
到着は出発以上に遅れて、パリ・ベルシー駅に着いたのは十一時くらい。十一時半頃のストラスブール行きTGVを予約していたので、あわてて東駅に行くためタクシー乗り場に向かったら、そこもすでに長蛇の列。
結局その列車には間に合わず。とはいえトレインパスで移動しているので、損するのは予約代の三ユーロのみ、と気楽に窓口に行くと、なんと三時半まで空席がないと言われてしまう。
まだ乗り物酔いが残っていてへろへろ。しかも東駅、すんごい寒い。
ともかく、比較的あたたかいフードコートで、熱い紅茶を買って休憩することに。
ぐったりしながらしばらく休んだあと、酔いもおさまったので、ともかくなにかお腹に入れようとセルフサービスの店に。パスタとサンドイッチとビーフンの店がありましたが、経験上、フランスでパスタを食べてはいけないことは身に染みてわかっている。そうなるとサンドイッチだろう、と思ったのに、ビーフンの店の前を通って醤油の匂いを嗅いだとたん、身体がふらふらとそちらへ……ああ、わたしってやっぱりアジア人なんだなあと思った一瞬でした。
ビーフンは充分おいしかったです。もちろんここはアジアではないので完璧を求めてはいけません。
食べ終わってしばらくはまだうだうだしてましたが、あまり長くフードコートにいるのも気がひけて、外に。
やはりすんごい寒い。フィレンツェやミラノなんか目じゃないくらいに寒い。
駅構内にあるストーブに張り付いて、三時半まで待ち、ようやく列車に乗りました。
乗ってしまえばあとは快適。しかし、当初の予定では二時頃到着する予定だったストラスブールに着いたのは、夕方の六時。
しかも、列車を降りた瞬間、ギャーと言いたくなるほど寒い。東駅なんか比べものにならないくらい寒い。
ガクガク震えながら、タクシー(幸いすぐ乗れた)に乗ってホテルへ。
タクシーの運転手に「どこからきたの」と聞かれる。
「日本です……」
「日本? 日本って宗教なに?」
「宗教? 仏教徒が多いかな」
「仏教はいい宗教だね。過激派とかいないし。カソリックはいないの?」
「います。たしか、三パーセントか五パーセントだったか、そのくらい……」
「そんなに少ないのか。じゃあクリスマスは盛り上がらないだろう」
 えーと……そのあたりを説明するのは非常に難しいですが、日本、すんごいクリスマス大好きです。盛り上がってます。
 ともかく、「ケーキは食べるし、子供はパパノエル(フランス語でサンタクロースね)を待ってる」と言うと、なぜか爆笑されました。日本人の名誉のために、「恋人同士が過ごす日になっている」ということは言わないでおきました。今の日本の首相はカソリックですよ、と言えばよかったかな。
 ようやくホテルへ。ストラスブールのホテルを予約するのが遅く、高いホテルしか取れなかったのですが、このへとへと状態では、それがむしろありがたい……。
 一休みしてから、夕食はアルザス名物のシュークルート。以前パリのアルザス料理店で食べたものよりも、ずっとおいしかったですが、いかんせん量が多い。半分も食べられなくて撃沈。とはいえ、一緒に煮たレバーソーセージは絶品でした。
 寝る前に熱いお風呂に入って疲れを取りました。フィレンツェはバスタブのないホテルだったので、ひさしぶりのお風呂。

|

« イタリアその5 | Main | アルザス »

「旅行・地域」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« イタリアその5 | Main | アルザス »